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通訳ノートテイキングの指導法 〜理論に基づく体系的指導法を⽬指して〜 関⻄⼤学外国語学部・外国語教育学研究科(通訳翻訳領域) 染⾕ 泰正 [email protected] ⽇本通訳翻訳学会第14回年次⼤会 2013年9⽉7⽇ 神⽥外語⼤学

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通訳ノートテイキングの指導法〜理論に基づく体系的指導法を⽬指して〜

関⻄⼤学外国語学部・外国語教育学研究科(通訳翻訳領域)

染⾕ 泰正[email protected]

⽇本通訳翻訳学会第14回年次⼤会2013年9⽉7⽇神⽥外語⼤学

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1. 問題設定2. 発表の趣旨3. 染⾕ (2005) における主な主張4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒5. 通訳ノートテイキングの指導カリキュラム6. 「モデルノート」の作成演習7. 問題点と今後の課題

⽬次

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逐次通訳におけるノートテイキング(NT)が通訳者にとって必須のスキルであることは誰しも認めるところである。ところが、NTスキルの習得については、現在のところこれといった⽅法論がなく、各⾃が⾒よう⾒まねで体験的に習得していかざるを得ないのが現実である。たしかに、習うより慣れろというのは⼀⾯の真理であり、現在活躍している通訳者のほとんどはそのようにして必要なスキルを⾝に付けてきたのであるが、通訳者にとって必須のスキルのひとつであるNTの指導が、理論的にも実践的にも依然としてブラックボックスのままであるという現状は、早急に改善する必要があると思われる。

1. 問題設定

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どの分野でも、教育⽅法論が確⽴していないのは、そのベースとなるべき理論がないことが最⼤の理由である。NTについて⾔えば、そもそも発話を「理解」するとはどういうことなのかといった基本的な問題から、発話中のどの要素を、どういう理由でノートにとるべきか(あるいはとらないか)という問題、あるいは断⽚的な「ノート」からフルメッセージを回復する際に、通訳者は頭の中でどのようなことをしているのかといったさまざまな問題について、何らかの理論的な説明が⽤意されなければならない。教育実践は、そのような理論的枠組みに基づいて⾏われるべきものである。本発表では、染⾕ (2005, 2010) で⽰されたNTの理論的考察をさらに発展させ、これを教育現場での具体的指導法として体系化した試みについて紹介しながら、その問題点と今後の課題等について議論したい。

2. 発表の趣旨

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[前提]1. 通訳ノートは対象テキストについての通訳者の<理解>を反

映したものであり、適切な理解に裏付けられたノートは、⼀⾒アトランダムに書きなぐられているように⾒えても、何らかの構造を持ったシステマチックなものであると考えられる。

2. この「構造」は必ずしも⽂字や記号として実際のノート上に顕在化しているとは限らないが、どの要素がどのように顕在化し、あるいは顕在化していないかを分析することによって、通訳者の発話理解の⼼的プロセスと、これを⽀えているメカニズムを伺い知ることができる。

3. 染⾕ (2005)における主な主張

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[議論]1. 発話の理解に伴う⼼的表象は、「命題」(proposition) を

その基本ユニットとして構成される。※

2. テクストは「命題」の連鎖系であり、われわれのテクスト理解の⼼的表象は⼊⼒の追加によって順次更新される動的な命題ネットワーク (DPN = Dynamic Propositional Network) として構築される。

3. 適切な理解に裏付けられた通訳ノートは、命題を基本単位に構成される⼼的表象が、時間軸に沿って近似的かつ部分的に写像されたものであり、ノートとして具現化した⽂字および記号列は元テキストの意味内容を(命題の復元を通して)回復するためのインデクスとして機能する。

3. 染⾕ (2005)における主な主張

※命題が発話理解の基本ユニットを構成していることはさまざまな⼼理学的実験によって確認されており(Kintsch 1998: 69-73)。筆者による通訳ノートのコーパス分析の結果もそれを⽀持している。

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4. ただし、実際のノートテイキング (NT) に当たっては従来の命題モデルは実⽤的な意味で不適切であることから、染⾕(2005) では "Thematic P-A Schema" という修正モデルを提案した。これは、基本的には発話を(Theme (Predicate (Arguments))) ※

という 3 層構造で把握するというものであり、このモデルに従って NT を⾏うことで、発話の⾃然な流れを崩さずに、原⽂の基本的な⽂法構造・情報構造がそのままノート上の空間配置としてマッピングされるという利点がある。

※ Thematic P-A Schema とは、⼀般的な命題表現 Predicate (Arg-1, Arg-n) のうちの主題項 (thematic argument) を前置したものである。

3. 染⾕ (2005)における主な主張

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3. 染⾕ (2005)における主な主張

上記ミニテクストの命題リスト表現1

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3. 染⾕ (2005)における主な主張

上記ミニテクストの命題リスト表現2

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3. 染⾕ (2005)における主な主張

以上、⾒てきたとおり、われわれの記憶に残るのは、元テクストの意味内容を構成する命題(およびモダリティー)とそのネットワークであり、元テキストが圧縮された「スケルトン」ということになる。 通例、ノートに残されるのは、命題の核となる述語とその項を中⼼とした情報であり、⽂法的・形式的要素の多くはほぼ⾃動的に復元可能であるため 、ノート上に記録される必要がない。すでに明らかなとおり、このスケルトンは断⽚的情報の集合ではなく、その背後に⼀定の「構造」を持って(あるいは、構造を維持するようにノートがとられて)おり、ノートからの元発話の再構成は、それ故に可能となるのである。

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3. 染⾕ (2005)における主な主張

> プロ通訳者のノート例

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3. 染⾕ (2005)における主な主張

われわれの仮説は、通訳者のとるノートは、実はその背後に上図に⽰したような「テンプレート」があって、これに沿って情報を整理しているのではないか、というものである。この仮説に従えば、ノートテイキングの訓練とは、このような認知的構造テンプレートをより効率的に使えるようにするための訓練ということになる。

※なお、優秀な通訳者が必ずしも客観的に⾒てよく構成され、⼗分な情報を盛り込んだ「理想的なノート」をとるとは限らず、ごく断⽚的な⽂字や記号の⾛り書きだけで実際の通訳に当たるという例が少なくない。これは、彼らが訓練や経験を通じて効率的な表象形成と検索システムを発達させており、最⼩限の外部指標=インデクスさえあれば⽤が⾜りるというレベルに達しているからである。

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

1. NT を伴う逐次通訳は概略、次のようなプロセスを経る。

① The interpreter recovers linguistically-encoded meaning of ST. The ST representation is assumed to be made at the propositional level and is stored as such.

② The propositional representation is then rendered into NT via a reduction process. The reduction process typically involves either elliptical or restructuring processes, or both.

③ If NT is “good-enough” to recover the propositional model of the current ST segment, go to ④; otherwise, go to ⑤.

④ Render TT via the process of expansion (with the least necessary degree of enrichment, specification and/or contextually-bound inference) and DONE.

⑤ If and iff NT is not “good-enough,” then you may “deverbalize” (i.e. move away from) the NT rendition to (re)construct a more global conceptual model and, working on that level, try to find a meaning equivalent or approximation of the target ST segment.

⑥ Reverbalize it (i.e. give an appropriate linguistic form to the target notion) and render TT via the process of expansion (with the least necessary degree of enrichment, specification and/or contextually-bound inference) and DONE.

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

2. NT は ST の命題構造を継承するが、縮⼩化 (reduction) が起こる。(Reduction Hypothesis)2.1 縮⼩化は主として省略可 (ellipsis) と構造的変化(structural change) からなる。2.2 省略される要素は、回復が容易な要素、またはフォーカス情報ではない要素である(フォーカス情報は通例、維持される)。2.3 構造的変化は限定的である(主として、TL に慣⽤的な対応表現がある場合の経済化⽅略として起こり、副次的に coping strategy として起こる)。

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

3. TT は縮⼩化された NT を拡張 (expand) したものである。(Expansion Hypothesis) 3.1 TT での拡張は NT に縮⼩化されて継承された ST の命題構造=基底構造を復元する⽅向で起こる。3.2 したがって、TT で復元されるのは原則として ST の表意 (explicature) である。3.3 表意には、ST の⾔語的内容 (what was actually said) のほか、“Good-enough TT” の構成に必要最⼩限の範囲での富化 (enrichment)、詳細化 (specification) アドホク概念化 (ad hoc conceptualization)、および⽂脈限定的推論 (contextually-bound inference) などの語⽤論的な拡張が含まれる。※(セレスコビッチらが主張する) "Deverbalization" をともなう深い処理(concept-mediated deep processing)は通訳におけるノームではなく、それが必要な場合(i.e. 情報処理が追いつかない場合や⼗分な理解ができなかった場合 [あるいは多義性や曖昧性解消のために再解釈が必要となった場合] にのみ起こる限定的現象である。ただし、この場合でも処理の深さは "good-enough representation" が可能なレベルを超えない。

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

4. 通訳ノートの書記法は「最⼤効率の原則 (E-principle)」と「最⼤情報価値(=情報回復⼒)の原則 (R-principle)」の2つの原則によって⽀配される。

5. NT 上に表現された⽂字列は(英語や⽇本語といった)⾃然⾔語の「単語」そのものではなく、それらのコトバが指し⽰す概念の「ラベル」である(このラベルは情報検索のためのインデクスとして機能する)。

6. NT は現実的な可能な範囲で(かつ、STの理解を阻害しない範囲で)“The more, the better.” の原則に従ってとられる。

7. NT における underspecification は、ほぼ常にパフォーマンスの低下をともなう。

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

[教育上の⽰唆]

6. 前記 1〜3 から、ノートテイキングの訓練とは、具体的には次の3つのスキルの習得または習熟化訓練であるということができる。

1) 対象テクスト (ST) の⼼的表象の形成にかかわるスキル → ST情報の「命題化スキル」の訓練(すでに習得されている認知テンプレートをより的確かつ効率的に使えるようにするための習熟化訓練)

2) 「通訳ノート」の作成にかかわるスキル → 命題化された情報(および個々の命題間の関係やテクスト全体の構造)を適切かつ効率的にノート上に転記するための「縮⼩化スキル」および書記技術の訓練。

3) 訳⽂の産出にかかわるスキル → ノート上の断⽚的な情報から、適格かつ内容的に「ほぼ⼗分な ("good-enough")」フルメッセージをオンラインで作成するための「拡張化スキル」。

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4. 染⾕ (2010) の実験における主な知⾒

[教育上の⽰唆](続)

7.前記 4 から、ノートテイキングの習得は「最⼤効率の原則」と「最⼤情報価値(=情報回復⼒)の原則」の2つの原則に叶った書記技術の習得を含むプロセスであるということができる。8.ただし、NT 全体の評価は以下の5つの観点から⾏うことができる。

NT の評価基準 (+ Good, - Poor)

1. 命題構造の再現性 (±P)2. テクスト構造の再現性 (±T)

[3. 語⽤論的操作※の適切さ (±C) ]4. 効率性 (±E)5. 情報回復⼒ (±R)

※enrichment, specification, simplification, ad hoc conceptualization, etc.→これは主として訳⽂ (TT) の評価にかかわる基準であるが、NT上でこの操作が⾏われることもあるため、NTの評価基準の1つとして含めた。

テクストの内容にかかわる基準

ノートの書記技術にかかわる基準

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すでに述べたとおり、ノートテイキングの訓練とは、具体的には①対象テクストの⼼的表象の形成にかかわるスキル②「通訳ノート」の作成にかかわるスキル③訳⽂の産出にかかわるスキルという3つのスキルの習得または習熟化訓練であるということができる。

⾔い換えれば、①は ST情報の「命題化スキル」の訓練、②は命題化された情報(および個々の命題間の関係やテクスト全体の構造)を適切かつ効率的にノート上に転記するための書記技術の訓練、③はノート上の断⽚的な情報から、適格かつ内容的に「ほぼ⼗分な (“good-enough”)」フルメッセージをオンラインで作成するための「拡張化スキル」の訓練、ということになる。

5. 通訳ノートテイキングの指導カリキュラム

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関⻄⼤学における逐次通訳訓練のモデルシラバス(概要)

5. 通訳ノートテイキングの指導カリキュラム

※関⻄⼤学における標準シラバス(オンライン版)

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1. 「モデルノート」とは何か︖2. 「モデルノート」作成演習の例

Session 5演習15︓和⽂のNTと⼤意要約(スピ―チ︓⽇→⽇)> ワークシート> モデルノート> ノートの命題構造分析例 (Thematic P-A Scheme Analysis, Rev. 2)

Sessions 6-11演習A1︓数字を含む発話のNT訓練演習17︓ショートスピーチのNT逐次

Session 12演習15: パラグラフ逐次通訳> プロ通訳者による NT のプロセス分析、およびモデルノートとの⽐較

6. 「モデルノート」の作成演習

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「モデルノート」作りによって期待される学習効果

1. ST情報の「命題化スキル」の向上。2. 命題化された情報(および個々の命題間の関係やテクスト全

体の構造)を適切かつ効率的にノート上に転記するための書記技術の向上。

3. ノート上の断⽚的な情報から、適格かつ内容的に「ほぼ⼗分な」フルメッセージをオンラインで作成するための「拡張化スキル」の向上 → ただし、講師による適切な指導が必要。

4. 直観的なノートから、説明可能な Rule-based NT への移⾏5. ⾃分のノートを⾒直し、修正点を⾒つけるための客観的な評

価基準(ないし枠組み → Slide 18 参照)の習得。6. ⼤量の練習を通じた NT スキルの⾃動化。

6. 「モデルノート」の作成演習

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1. 問題点と今後の課題

1) 訓練量の不⾜=半期15回では⾃動化レベルまで到達しない。2) 英語⼒不⾜は NT スキルの訓練によって補うことができない。3) 効果の検証が不⼗分。

2. NT訓練の英語教育への応⽤、とりわけ⾔語産出訓練への応⽤(染⾕ 2011)の可能性

7. 問題点と今後の課題

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研究」⽇本通訳翻訳学会第11回年次⼤会⼝頭発表染⾕泰正 (2011)「英語教育におけるプロダクション訓練の⽅法論とその理論〜イン

プットからアウトプットへの橋渡し」関⻄⼤学外国語学部紀要第5号 (93-132)

参照⽂献