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IAEA International Atomic Energy Agency 原子力施設の廃炉に係るリスク評価 Andrew Orrell 放射線、輸送及び廃棄物安全部門 廃棄物及び環境安全課 1回福島第一廃炉国際フォーラム 2016411セッション III リスク評価 福島県いわき市 仮訳

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Page 1: IAEA Safety Reports Series...IAEA • 200冊以上出版された安全基準には、人間及び環境を守るための高いレベル の安全性の達成に必要な項目が記されている。これは国際的に合意された内

IAEA International Atomic Energy Agency

原子力施設の廃炉に係るリスク評価

Andrew Orrell

放射線、輸送及び廃棄物安全部門

廃棄物及び環境安全課

第1回福島第一廃炉国際フォーラム 2016年4月11日

セッション III – リスク評価

福島県いわき市

仮訳

Page 2: IAEA Safety Reports Series...IAEA • 200冊以上出版された安全基準には、人間及び環境を守るための高いレベル の安全性の達成に必要な項目が記されている。これは国際的に合意された内

IAEA

IAEA憲章

• IAEA安全基準は、IAEAに 「国際連合の権限のある機関及び関係専門機関と協議し、かつ、適当な場合にはそれらと協力して、健康を保護し、並びに人命及び財産に対する危険を最小にするための安全上の基準を設定し、又は採用する…並びに前記の基準が適用されるように措置を執る」 権限を与えるIAEA憲章に基づくものという位置づけである。

IAEAは、 1958年に最初の安全基準、安全シリーズNo.1放射性同位元素の安全な取り扱いを発行した。その後、200冊以上の安全シリーズが出版された。

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IAEA

• 200冊以上出版された安全基準には、人間及び環境を守るための高いレベルの安全性の達成に必要な項目が記されている。これは国際的に合意された内容であり、国際的な原子力安全のための枠組みの基礎となっている。

• 安全規制は国家の責任であるが、国際基準は共通基盤となりうる。

• 加盟国は安全基準を満たすことで、国際義務(条約、協定)も満たすことができる。

1958年以降の国際安全基準の推進

https://www-ns.iaea.org/standards/documents/general.asp

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IAEA

• 最上位(基本レベル)の基準

• IAEA安全基準シリーズの方針文書

• 防護及び安全に関する基本的安全目標及び10項目の原則を示す

• 安全要件の基礎を定める

• 「なければならない」という文章を用いる。

安全原則

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IAEA

• 一般的及び個別の安全要件

• 特定の活動又は施設に適用するため、SF-1の基本目標及び原則を展開する。

• 簡潔に「何」「誰」「いつ」が示され、関連する解説文書では「なぜ」これらの要件が存在するのかが記載されている。

• 「ねばならない」という文章を用いる。

• 国の規制枠組みを策定する際、用いやすい書式及び文体となっている。

安全要件

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IAEA

• 一般的及び個別の安全ガイド

• 安全要件をどう満たすかについて推奨事項や手引きが示される

• 利用者が高いレベルの安全性を達成できるよう、国際的な良好事例を示し、最適事例も多く記載されている

• 「すべきである」という文章を用いる

安全ガイド

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補足出版物

http://www-pub.iaea.org/books/IAEABooks/Serial_Publications 7

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IAEA

廃炉の目的

原子力施設又はシステムの運転に関連する放射性及び非放射性ハザードを取り除き、施設が規制の対象から解除されること、並びにその過程において作業員、一般公衆及び環境を守ること。

ハザード分析及びリスク(安全)評価は廃炉プロジェクトにおける重要な要素である。

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リスク評価

• 「リスク」という用語は、戦略的、政治的、組織的、規制的、技術的、安全、商業的/財務的、ステークホルダー関連等全ての種類のプロジェクト関連リスクを含む。これらは廃炉プロジェクトの進捗に影響を与えうるものであり、並びに/又はプロジェクトの目標達成(ハザードを取り除きつつ公衆、作業員、環境を守ること)を脅かす可能性もある。

• 同定

• ハザード及び関連する不確実性は何か

• 評価

• 確率及びその影響は何か

• 軽減

• 優先順位付け及び意思決定

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廃炉及び安全評価

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定量的リスク評価

定性的リスク評価

• Risk assessment and evaluation

are used to help prioritization

and decision-making in multi-

faceted and complex situations.

• 複雑なリスク管理の状況においては、脅威及び機会の影響の両方が存在する。

• リスク評価は、多角的で複雑な状況において、優先順位を決め、意思決定を行うために用いられる。

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DRiMa: 廃炉リスク管理に関する国際プロジェクト http://www-ns.iaea.org/projects/drima/

DRiMaプロジェクトは、2012年に開始し、2015年に終了した。28の加盟国から40

名以上の代表者が参加し、現在最終報告書を作成中である。

• 多くの産業界で確立されたリスク管理方法が用いられ、廃炉においても適用できる方法がある。

• 廃炉プロジェクトでは、一般的に2つのレベルでプロジェクトリスクが認識されている。 • 戦略:戦略レベルでのリスク管理は、廃炉の計画段階(初期及び最終廃炉計画)での推定(不確実性)の管理および戦略的意思決定が中心となる。主な推定は廃炉計画へ基礎的な影響を及ぼすため、計画策定が進むと共に不確実性について分析をする必要がある。

• 実施:実施レベルでのリスク管理は、プロジェクトの実施(最終廃炉計画の実行)に関連する廃炉プロジェクトに対するリスクが中心となる。

• 廃炉計画を実施中は、廃炉の目標達成の確率を高めるため、全てのリスクを継続的に管理する必要がある。

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損傷した原子力施設の廃炉及び除染(DAROD計画)

本プロジェクトは2015年1月に発足し、23か国が参加した。

損傷した原子力施設の廃炉及び除染に関する実際的な知識を多様な視点から抽出し発信することを目的とする。

下記について取組を行う3つのワーキンググループがある。

• 規制監視

• 方針、戦略及び計画

• 技術課題

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IAEA

結論

• IAEAの安全基準には50年の経験及び専門性が反映され、高いレベ

ルの安全性を達成するため、国際的に合意された必要事項が定められている。

• 廃炉基準には、先進的計画を有する加盟国の事例も反映されている。

• 安全基準を適用することにより、安全で費用効率の良い廃炉が可能となる。

• IAEAの活動において、加盟国からの安全基準に関する情報提供及びフィードバックは非常に重要である。

• 福島第一における現在の作業は、廃炉の課題に安全に取り組む国際的な専門性及び世界の原子力安全の枠組みの強化から支援を受けつつ、これらに貢献するものである。

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ご清聴ありがとうございました。

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